眼の表面は、いつも無意識に出ている涙で潤っています。
この涙は、涙腺という組織で毎分1.2μl作られています。
涙は眼の表面に潤いと酸素と栄養を与え、瞬きをスムーズにし、
外からの刺激から眼を守り、光がきれいに眼に入ってくるように働いています。
また、外界からの侵入物から眼を守るための免疫反応、感染防御を司る蛋白を供給しています。
この涙は、油の層とムチンという成分と水から成る層から構成され、眼の表面に留まっています。
しかし、何らかの理由でこの構成成分に異常をきたすと、涙の安定性が崩れて眼の表面が乾く、
いわゆるドライアイという症状が出てきます。
涙の油の成分は、瞼の中にあるマイボーム腺という組織から分泌されます。
油層は涙の層の一番表面にあって、涙の乾燥を防いでいます。
この腺の働きがうまくいかないと正常な油層が出来ず、涙が蒸発しやすくなってしまいます。
また、ムチンが正常に分泌・作用しないと、涙の層が不安定になり、これも眼の表面を乾かしてしまいます。
さて、以上の涙の性質もふまえて、ドライアイの対策です。
まず、女性の方はアイメイクに注意です。
まつ毛の際をアイメイクでしっかり埋めるとマイボーム腺が正常に機能できません。
それから、アイメイクはしっかり落としましょう。
詰まってしまったマイボーム腺はホットタオルなどで温めると改善しやすいです。
その他、環境要因対策です。
パソコンやテレビゲームに集中すると、無意識に瞬きの回数が減って眼が乾きます。
また、エアコンやコンタクトレンズもドライアイの原因になります。
これらの対策をしても、ドライアイの改善が無ければ、点眼治療をおすすめします。
現在は様々な種類の点眼薬があります。
その人のドライアイの原因に応じて使う薬が違いますので、ドライライが気になる方は、
一度眼科で診察を受けてみてくださいね。