院長コラム


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涙のお話

眼の表面は、いつも無意識に出ている涙で潤っています。
この涙は、涙腺という組織で毎分1.2μl作られています。

涙は眼の表面に潤いと酸素と栄養を与え、瞬きをスムーズにし、
外からの刺激から眼を守り、光がきれいに眼に入ってくるように働いています。
また、外界からの侵入物から眼を守るための免疫反応、感染防御を司る蛋白を供給しています。

この涙は、油の層とムチンという成分と水から成る層から構成され、眼の表面に留まっています。
しかし、何らかの理由でこの構成成分に異常をきたすと、涙の安定性が崩れて眼の表面が乾く、
いわゆるドライアイという症状が出てきます。

涙の油の成分は、瞼の中にあるマイボーム腺という組織から分泌されます。
油層は涙の層の一番表面にあって、涙の乾燥を防いでいます。
この腺の働きがうまくいかないと正常な油層が出来ず、涙が蒸発しやすくなってしまいます。
また、ムチンが正常に分泌・作用しないと、涙の層が不安定になり、これも眼の表面を乾かしてしまいます。

図1
まぶたの際をよーく見て下さい。一列に小さい穴が並んでいるのが見えると思います。
ここからマイボーム腺からの油が出てきます。
図2
涙液層の図

ドライアイ対策

さて、以上の涙の性質もふまえて、ドライアイの対策です。

まず、女性の方はアイメイクに注意です。
まつ毛の際をアイメイクでしっかり埋めるとマイボーム腺が正常に機能できません。
それから、アイメイクはしっかり落としましょう。
詰まってしまったマイボーム腺はホットタオルなどで温めると改善しやすいです。

その他、環境要因対策です。
パソコンやテレビゲームに集中すると、無意識に瞬きの回数が減って眼が乾きます。
また、エアコンやコンタクトレンズもドライアイの原因になります。

これらの対策をしても、ドライアイの改善が無ければ、点眼治療をおすすめします。
現在は様々な種類の点眼薬があります。
その人のドライアイの原因に応じて使う薬が違いますので、ドライライが気になる方は、
一度眼科で診察を受けてみてくださいね。